発表日時: 2026-07-16T14:00:00+08:00 / 最終確認: 2026-07-18T01:05:50+09:00。事実、検証結果、解釈、未確定事項を分けて記載しています。
資料探索、数値照合、計算、反証候補の整理、草稿作成の補助。根拠資料との照合と公開判断は、独立した編集レビューを経ています。
これは公開情報を整理する教育目的の記事で、投資助言や特定銘柄の売買推奨ではありません。
対象:
TSMCの2026年4〜6月期決算を、利益率、設備投資、キャッシュまで読みたい人向けです。対象は連結決算と会社ガイダンス、基準日は2026年7月18日。株価目標、売買判断、下落の因果推定は範囲外です。
この記事のポイント
- 事実: 4〜6月期の米ドル売上は402億ドル、売上総利益率は67.7%、営業利益率は60.3%でした。
- 会社予想: 7〜9月期は売上446〜458億ドル、売上総利益率65〜67%、営業利益率56〜58%です。
- 確認結果: 2026年設備投資予想は520〜560億ドルから600〜640億ドルへ増額。4〜6月期のフリーキャッシュフロー(FCF)は2,873.6億台湾ドルでした。
何が起きたか
TSMCは7月16日14時(台湾時間、UTC+8)から決算説明会を開きました2。4〜6月期は売上1兆2,703.8億台湾ドル、純利益7,065.6億台湾ドル。前年同期比はそれぞれ36.0%増、77.4%増です。米ドル売上402億ドルは会社の事前予想390〜402億ドルの上限でした13。
ただし、純利益の増加を営業成果だけでは説明できません。4〜6月期の非営業利益は958.3億台湾ドルで、このうちVanguard International Semiconductor株式の売却・時価評価益が630億台湾ドル、同四半期の1株利益(EPS)への寄与が2.24台湾ドルでした14。
発表後の次の通常取引である7月17日13時30分(台湾時間、UTC+8)時点では、台湾証券取引所のTSMC普通株(2330、台湾ドル建て)は前日終値2,470台湾ドルから2,290台湾ドルへ180台湾ドル、7.29%下落。同日のTAIEXは2,953.71ポイント(6.47%)下落し、42,671.27で終えました78。終値の記述で、決算を下落原因とは判定しません。
一次資料で確認できたこと
実績と予想は分けて読みます。4〜6月期の売上総利益率67.7%は事前予想65.5〜67.5%を0.2ポイント上回り、営業利益率60.3%も予想56.5〜58.5%を上回りました。一方、7〜9月期予想の中央値は売上452億ドル、売上総利益率66%、営業利益率57%です。売上の中央値は4〜6月期より高い一方、利益率の中央値はそれぞれ1.7、3.3ポイント低くなります。会社予想は1米ドル=32台湾ドル前提で、確定値ではありません13。
2026年の設備投資予想は520〜560億ドルから600〜640億ドルへ増額されました。TSMCの説明会資料・トランスクリプトと、AP、CNAの独立報道で新旧レンジを照合しました156。米国への追加1,000億ドルは複数年計画で、単年レンジとは別です5。
キャッシュでは、4〜6月期の営業キャッシュフロー7,833.6億台湾ドルから設備投資4,960.0億台湾ドルを引いたFCFは2,873.6億台湾ドルです。1〜3月期の3,482.1億台湾ドルより608.5億台湾ドル減りました4。利益増と投資による現金流出は同時に起こり得ます。
在庫も1〜3月期末の3,114.5億台湾ドルから4〜6月期末の3,855.3億台湾ドルへ740.8億台湾ドル増え、在庫回転日数は80日から87日へ伸びました。会社は主因を2ナノメートル(N2)技術の立ち上げと説明しています14。設備投資だけでなく、こうした運転資金の変化も営業キャッシュフローを読む際の確認対象です。
投資家にとって何が変わるか
今回の会社見通しは、売上成長の継続と、先行投資によるキャッシュ負担を同時に示します。設備投資は直ちに損益へ全額計上されず、まず現金支出となり、その後は稼働する設備の減価償却として利益率に影響します。したがって確認順は、売上、利益率、営業キャッシュフロー、設備投資、FCFです。
設備投資の増額が妥当だったかは、増設能力が売上とキャッシュ回収につながった後に判断します。
まだ分からないこと
7月17日のTSMC株下落について、会社固有の情報、市場全体の下落、同時に起きた別のニュースの寄与は分離していません。時刻付き市場コンセンサスとの比較やイベントスタディも実施していないため、「期待外れ」や下落原因は結論にできません。
7〜9月期の利益率がレンジ内のどこに着地するか、600〜640億ドルの設備投資が年度内にどこまで支出されるか、海外工場や2ナノメートル量産が減価償却と利益率へ及ぼす額も未確定です。
次に確認するポイント
次回決算で、7〜9月期の売上と利益率が会社レンジ内だったか、設備投資、営業キャッシュフロー、FCF、減価償却がどう変化したかを同じ定義で追います。FCFが再び低下した場合は、需要増に伴う一時的な先行支出か、回収期間の長期化かを追加資料で切り分けます。
AIは資料探索、数値照合、計算、草稿整理を補助しました。事実認定には一次資料とAP・CNAの報道を用い、AI出力は証拠にしていません。
出典
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TSMC「Second Quarter 2026 Earnings Conference」2026年7月16日。 ↩
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TSMC / SEC「Q2 2026 Earnings Release, Exhibit 99.1」2026年7月16日。 ↩↩
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TSMC / SEC「Q2 2026 Presentation, Exhibit 99.2」2026年7月16日。 ↩↩↩
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AP「TSMC pledges another $100 billion to expand US chipmaking capacity」2026年7月16日。 ↩↩
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CNA / Focus Taiwan「TSMC raises sales growth estimate to over 40% for 2026」2026年7月16日。 ↩
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CNA / Focus Taiwan「Taiex market report on July 17, 2026」2026年7月17日。 ↩
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Taiwan Stock Exchange「Service: trading hours」2026年7月18日閲覧。 ↩